富士通は2008年3月27日、野副州旦(のぞえ・くにあき)経営執行役上席常務が社長に昇格する人事を発表した。今年6月下旬の定時株主総会終了後の取締役会を経て、正式に決定する。現・代表取締役社長の黒川博昭氏は在任5年。経営不振に陥っていた同社の業績を回復させた。不採算案件の撲滅など、主力のサービス事業の立て直しで功績をあげた野副氏に、いっそうの成長を託す。 「これまでは(会社を復活させるために)ワンマン・コントロールで経営してきたが、その弊害が目立ってきた」。東京・汐留の本社ビル内で同日午後4時から開催された会見に登場した黒川氏は、社長交代の理由をこう説明した(写真1)。「幹部が何かにつけて私の意向を確認するようになっている。これでは『私の能力の限界』が『会社の成長の限界』になってしまう。これはリーダーを変えたほうがよい時期と判断した」。 黒川氏は野副氏を「社内外に幅広い人脈があり、とにかく