一般のイネより収量が倍近く増える稲穂が垂れない直立型の国産イネの開発に、京都大学の客員教授の徐正進(じょ・せいしん)氏(植物育種学)と東北農業研究センター(秋田県大仙市)が取り組んでいる。中国・東北エリアで栽培されている直立穂型の品種をベースにした国内初の研究で、実現すれば低迷する国内の食料自給率の向上につながるとともに、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という日本の田園風景も一変しそうだ。 ■宮城・秋田と“ハイブリッド” 日本のイネは成長すると先端が垂れることで、光合成の効率が落ちたり、倒れやすくなるなど、収量増大の壁になっていた。 そこで、中国産の直立穂型の3品種ほどを選択。宮城県産品種の「ササニシキ」や「ひとめぼれ」など約10種類の日本品種を選び、さまざまなパターンで交配を行い、最も収量の高い組み合わせを研究している。 徐氏によると、現在開発中のイネは一般の垂れるタイプのイネと比