撤去が検討されている荒瀬ダム=熊本県八代市坂本町荒瀬、朝日新聞社ヘリから、山本壮一郎撮影 熊本県八代市の県営荒瀬ダムについて、県が撤去を軸に検討していることがわかった。県はいったん撤去方針を決めながら、費用の増大などを理由に2008年、存続方針に転換。だが、発電用ダムとしての存続に必要な球磨(くま)川の水利権が3月末で期限切れを迎え、更新も難しいことから、存続は困難と判断した。ただ、撤去費用確保の見通しは不透明だ。 蒲島郁夫知事が2月3日に最終判断を発表する予定。撤去が実現すれば、既存ダムの完全撤去では全国初という。 県は08年、撤去費用を92億円と試算。存続よりも費用がかかることを理由に蒲島知事は同年11月、存続を決めていた。 だが、3月末に期限を迎える水利権は更新手続きが間に合わず、国土交通省の見解では、新規としての申請が必要になるという。新規申請には地元の同意が必要だが、