3・11以前の日本には、こんなエネルギー政策の青写真があった。「国民の理解及び信頼を得つつ、安全の確保を大前提とした原子力の新増設(少なくとも14基以上)」——。 これは、2010年6月に政府が発表した「第2次改訂エネルギー基本計画」に盛り込まれた原発増設の具体的方針だ。だが、福島第一原発事故で、原発の「信頼」と「安全」は完全に失墜した。新増設はおろか、定期点検中の原発の再開さえ難しいのが現状だ。日本人の目と心に刻まれた忌まわしい原発の記憶は、簡単に消し去られるものではない。 では、原子力に代わるエネルギーをどう得ていくのか。例えば、首が据えかえられる日本政府首相と、時代の寵児となった孫正義ソフトバンク社長の構想を見てみる。どちらも目指すは「再生可能エネルギーの普及促進」だ。再生可能エネルギーとは、一度使ってもある程度時間が経てば再び使えるようになったり、量を減らさずに連続的に使えたりでき