劇場版『ヤクザと憲法』に登場する、元引きこもりの、ヤクザの青年。監督の土方宏史(ひじかた・こうじ ひじは土に「、」)さんは「彼から目が離せなくなった」「彼は現代のドロップアウト」と語り、作品は彼に優しく寄り添っていた。しかし、それは今の世の中に溢れる、いわゆる“弱者に寄り添うドキュメンタリー”とも違った。 だが、ここで、さらにひとつの疑問が湧く。なぜ、東海テレビという、愛知県のテレビ局というある種のメインストリームを歩んでいるように見える土方さんに、この作品が撮れたのか。これは、土方さんに限らず、東海テレビ全体に言えることなのかもしれない。 インタビューの後編は、その理由を聞くところから始めた。 フジテレビではない僕たちは 「そう言って頂けるのは、僕自身も全くメインストリームではない、ということがラッキーに働いているのかもしれません」 ――土方さん自身に、自分はメインストリームではないとい