新型コロナウイルスの感染が拡大するインドで、日本の刃物メーカー「貝印」(東京・千代田区)の爪切り「KAI Tsumekiri」が爆売れしている。同商品は、インド特有の習慣に合わせた“ある工夫”が施され、コロナ禍で衛生意識の高まりも追い風となり、現地で高い支持を得ている。(奥津 友希乃) 老舗刃物メーカーの爪切りが、約5800キロ離れたインドで熱視線を浴びている。 インドでは新型コロナウイルスの感染者が現在、1日当たり6万人前後のペースで確認されている。3~5月には「全土封鎖」を実施したものの、今月13日には感染者数最多の米国に次いで、累計感染者数700万人の大台を超えた。 感染拡大が続く中、衛生観念に変化が起こりつつある。インドでは、カレーなどを手で直接取って食べる「手食文化」が残っていながらも、爪を清潔に保つ文化が根付いていない。コロナ禍で手先への衛生意識が高まり、注目が集まったのが、貝