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  • 新約・秋葉原通り魔事件 - 『ぼっちゃん』 - 1953ColdSummer

    ぼっちゃん 2013(2012)/日 監督/大森立嗣 出演/水澤紳吾/宇野祥平/淵上泰史/田村愛/他  秋葉原 無差別殺傷事件に 挑む―― ひとりにしないでくれよ  比較・類形としては『アカルイミライ』や『カインの末裔』それに『冷たい熱帯魚』(感想)などの因果鉄道な映画に類するものなのだろうけれども、世を震撼せしめた秋葉原通り魔事件の犯人・加藤智大の「犯行に至る経緯」の映画化であるという事実が、そうした映画のノスタルジアに懐古する事を阻害する。  ネットスラングとしてすらもう古い「イケメソ」を連呼する派遣期間工・梶知之は作の主人公であり、劣等感と卑屈の泥沼に嵌った人間の三人称的なデフォルメであり、また、「当はこうだったら良いのにな」という大森立嗣監督の願望が投射された存在でもある。  そう自分の中で咀嚼するに印象的だった要素はふたつ程あって、ひとつは監督が好むヤンキー気質で梶を暴行し

    新約・秋葉原通り魔事件 - 『ぼっちゃん』 - 1953ColdSummer
  • 神か魔か。奇跡の男の物語『アウトサイド・サタン』は今年の暫定No.1映画 - 1953ColdSummer

    神か魔か。奇跡の男の物語『アウトサイド・サタン』は今年の暫定No.1映画 - 1953ColdSummer アウトサイド・サタン (日公開未定) HORS SATAN/OUTSIDE SATAN 2011/フランス/ 監督/ブリュノ・デュモン 出演/ダヴィド・ドゥワエル/アレクサンドラ・ルマートル  フランスはブリュターニュ半島の沿岸、荒涼とした寒村にひとりの放浪者がやって来、祈りと自給自足の日々を送っている。  その禁欲的な画に、この男は何者であるか、目的は何であるのか、と、詮索的な考えを巡らせることすら忘れていると、、男は自分に懐いている少女とともに、農家から出てきたおっさんをライフルで射殺する。あまりにもぶっきらぼうで淡々とした殺人に、観客の思考が停止しているのを尻目に殺して、男と少女は草地に肩を寄せて座る。陽は高い。  放浪者は、「村から悪霊を一息で追い出し、世界を悪魔の手から守

    神か魔か。奇跡の男の物語『アウトサイド・サタン』は今年の暫定No.1映画 - 1953ColdSummer
  • 今世紀最凶のグロテスクを装って帰ってきた!! 『The Human Centipede II :Full Sequence (ムカデ人間2) 』 - 1953ColdSummer

    1953ColdSummer : 今世紀最凶のグロテスクを装って帰ってきた!! 『The Human Centipede II :Full Sequence (ムカデ人間2) 』 The Human Centipede II :Full Sequence (ムカデ人間2)  The Human Centipede II :Full Sequence 日公開未定  2011/イギリス/アメリカ 監督:トム・シックス  世の中には、やって良い事、と、やって悪い事、という区別があって、だいたいの人は自己の良識に照らし合わせ判断、悪い事はせず、良い事をしようと心がけており、その善性がまた社会を形作る土壌となっておるのだが、人口もこれだけ増加すれば、ほんのちょっぴり、やって良い事と悪い事の区別がつかない人間が出てくるのも致し方ない。  ……ということで、今回は、やって良い事と悪い事の区別がつかなく

  • クジラをブッ殺して何が悪い! 人間をブッ殺して何が悪い!『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー』 - 1953ColdSummer

    1953ColdSummer : クジラをブッ殺して何が悪い! 人間をブッ殺して何が悪い!『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー』 レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー  REYKJAVIK WHALE WATCHING MASSACRE 2011/アイスランド R15+ 監督:ユリウス・ケンプ  海洋版『悪魔のいけにえ』との誉れも高い、アイスランドで初めてのスプラッタ映画。  なのだが、捕鯨問題という、何というか、くそややこしい、くそめんどうな、くそポリティカルな背景が大前提としてあるがため、普段からノンポリを貫徹、選挙に行けば投票用紙に「みんな大好き!」と書いて投票することで有名な弊ブログでは、少しく扱い辛い映画ではある。  ということで、捕鯨に関してはなるべく触れずして稿を進めようと思う。  ところで、アイスランドといえば日と比肩する捕鯨大国であるのだね。

  • 『冷たい熱帯魚』お前もボディを透明にしてやろうか! - 1953ColdSummer

    冷たい熱帯魚 COLDFISH 2011/日 R18+ 監督:園子温 共同脚:高橋ヨシキ 『アンチクライスト』と並んで「2011年の最高の問題作!」と公開前から高らかに謳われていた園子温監督作品。  埼玉愛犬家連続殺人事件をベースに、他の実録事件の要素をも練り込み、或いは圧縮し、同監督の『愛のむきだし』と同じく長尺な上映時間ながらも体感時間はジェットコースター並に早く感じる。それ即ち、もう少しこの作品世界に浸っていたい、淫していたい、という作品の持つ求心力の強さの証左に他ならない。  血しぶきと肉片、憎悪と金欲肉欲、狂気じみた人生哲学(≒殺人の美学)といったグロテスクなイメージをこれでもかと詰め込んでおきながら、何故に作は普遍的な求心力を誇示することが出来たのか? 思うに、それは善悪の彼岸だの倫理感だのとそういった「一般常識」よりも、とにかく殺人鬼・村田役を勤めたでんでんのトーク/ア

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