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ロシアの南西チェリャビンスクの、カザフスタンとの国境近くにカラチャイ湖という美しい湖がある。だがこの湖畔に1時間佇むと6000ミリシーベルトの放射線を受け、致死量を超える。世界で最も危険な湖なのだ。 ここにはロシア最大のマヤク原子力施設があった。元は核兵器開発のために造営され、長い間外国人が足を踏み入れることを禁じられてきた。1992年になり、初めて科学者が調査を始めると直ちに“世界一汚染された地域”であると宣言された。閉ざされた間、施設内ではメルトダウンが繰り返された。半減期が30年と言われるストロンチウム90やセシウム137などが、放射性元素のカクテルとなって川に垂れ流しされたという。 付近住民には癌が21%増、先天性欠損症が25%増、白血病は41%増と、明らかな健康被害が見られた。だが当時医師たちが放射能の影響について言及することは禁じられた。西洋の技術に追いつくため安全を軽視した開
2012年05月20日10:32 カテゴリエネルギー 原発事故は「ブラック・スワン」か 茂木健一郎氏からのコメントにツイッターでは答えられないので、ここに書いておく。孫正義さんのこの議論、原発のblack swan性を考えると、決定的に重要です。 @masason 原発に百%の安全は無い。 自動車にも百%の安全は無い。 決定的な違いは、一回の事故でその国を壊滅させる程のリスクを伴うかどうかだまず問題は、原発事故が「ブラック・スワン」かどうかだ。タレブは、震災はブラック・スワンではないが、原発事故はブラック・スワンだとしている。その理由は、東電の想定していなかった原因(全電源の喪失)で起こったからだ。 通常の計算可能なリスクについては、確率で割り引いて考えればよいが、このような予想を超えた不確実性については、それを計算する根拠がない。それにどう対応すべきかについてはいろいろな考え方があるが、
2012年09月03日10:07 カテゴリ本 核への恐怖はなぜ大きくなったのか 福島第一原発事故の復旧を阻害している最大の障害は、過剰な放射能への恐怖である。政府事故調の最新の推定によれば、日本の自然放射線は平均2.1mSv/年だが、福島の被災者の実効線量は98%以上が2mSv以下だ。世界の高線量地域のデータから考えると、福島では発癌率が下がる可能性が高いが、人々は放射能を恐れる。著者もいうように、こうした恐怖を科学的に説明することは不可能なので心理学の研究対象である。 放射能が人々に知られるようになった最初のきっかけは、広島・長崎の原爆だった。25万人の死者のほとんどの死因は核爆発による熱であり、被爆後すぐ帰宅した「入市被爆者」の平均寿命は日本人の平均より長い。つまり核エネルギーは桁外れに大きいのに対して、放射線の影響は他の有害化学物質と比べて特に大きくはないのだが、両者が混同され、恐怖
2012年08月29日23:43 カテゴリエネルギー 原発を稼働させて地震・津波対策に投資せよ 政府は駿河湾から日向灘に至る南海トラフを震源域とする最大級の地震が起きた場合、関東から九州・沖縄の30都府県で最大32万3000人が死亡、238万6000棟が全壊・焼失するという被害想定を公表した。冬の深夜に東海地方を中心に大津波が襲うケースで死者が最多になり、静岡県で10万9000人が死亡すると予想されている。 奇妙なのは、この中で中部電力浜岡原発の津波の高さが21mから19mに修正されたことだ。これは中部電力が建てている防波堤の高さが18mであることに配慮したものだろうが、浜岡ではすでに防水工事が完了しており、たとえ浸水しても福島第一のように全電源喪失という事態には至らない。万が一そういう事態になっても、福島事故と同規模であれば死者は出ない。 錯覚している人が多いが、日本で想定されている原発
終戦記念日に、香港の活動家による尖閣諸島への上陸が強行されたことは、極めて遺憾であるが、それに先立つ韓国大統領の竹島訪問、一昨年のロシア大統領による北方領土訪問など、我が国の領土主権を脅かす隣国の行動がエスカレートしている。このような領土問題に関わる「国の主権」に対する危機感については、多くの国民が実感していることであろう。一方、「エネルギー政策」が、領土問題と同様に、我が国の存立と主権の根幹的基盤であることを実感する人は少ないのではないか。 ≪論議不足のエネルギー安保≫ 国家戦略室で進められている、2030年における電源構成の選択肢((1)原子力0%、(2)原子力15%、(3)原子力20~25%)に対する意見聴取・募集などでは、「原子力の危険性をなくしたいという願望」や「国の原子力推進体制に対する不満」が突出して、「選択肢が国のエネルギー安全保障にどう影響するか」に関する情報提示や議論は
2012年08月21日11:32 カテゴリエネルギー 「正義」のコストを国民に押しつける朝日新聞 朝日新聞の1面トップに「原発なくても夏乗り切れた? 電力、ピーク時でも余裕」という奇妙な記事が出ている。見出しには「夏乗り切れた?」と書いてあるのに、記事の中の図の関西電力の部分では、ピーク電力需要2682万kWに対して、原発を除く発電能力は2542万kW。私が先週の記事で書いたように、原発が動かなかったら関西は大停電になったことを示している。 ところが、この記事は「西日本全体では900万キロワット以上の電力が余っていたので、ほかの電力会社から関電に電力を送る融通をすればしのげた」というが、これは植田和弘氏の推測にすぎない。この図をどう読めば、900万kWも余っているのだろうか。 私の記事に引用した図を見ればわかるように、関電の供給能力2542万kWには「他社融通」644万kWが含まれている。
2012年08月16日08:26 カテゴリエネルギー 原発が動かなかったら関西は大停電になった ゆうべの記事の補足。驚いたのは、福島みずほ氏が「関西は大飯原発が動かなくても電力は足りる。再稼働しないと足りないというのは脅しだ」と、関西電力の需給状況を出して主張したことだ。この図は、その逆を示しているからである。 7月27日のピーク需要は2650万kW、供給は3003万kWで、その差は353万kW。「大飯3・4号機は240万kWだから、動かさなくても足りる」と彼女は主張したが、それは間違いである。原発の電力は揚水にも使われるので、次の関電資料の図のように原発がなければ供給力は2542万kWしかない。おまけに27日には赤穂火力がクラゲで停止して60万kW減ったので、供給力は2482万kWしかなく、168万kWも足りない。原発が動いていなかったら、関西では大停電が起きていた。 「結果として足りた
2012年08月16日01:01 カテゴリエネルギー 福島みずほ氏の合理的な空論 きのうのニコ生は、うまく話が噛み合わなかった。福島みずほ氏が延々と無内容な話を続けるので、田原総一朗氏も切れてしまった。常識派の橘川武郎氏と澤田哲生氏と私はほとんど同じ意見だったが、番組の中で説明を尽くせなかったので、細かい点を補足しておく(テクニカル)。 国家戦略室の「原発比率シナリオ」には、まったく意味がない。政府が保険機能を果たさない日本では原発は採算に合わないので、これから原発を建設する電力会社はないからだ。現状のまま放置すると、20年後には15%ぐらいになるだろう。そんなことはどうでもいいし、政府が決めるべきことでもない。重要なのは、社会的コストと便益を考えて、便益を最大化(コストを最小化)することだ。 エネルギーの便益を電力供給とすると、長期の社会的コストを最小化することが問題になる。直接コストで
2012年08月14日20:00 カテゴリエネルギー 放射能についての5つの神話 放射線のリスクについての議論が盛り上がってきたが、まだまだ世の中には非科学的な神話が流布しているようだ。 神話1.どんな微量の放射線でも危険だ これは小出裕章氏の「原発は無限に危険だ」という被害妄想のもとになっているLNT仮説だが、世界の自然放射線は平均2.4mSv/年なので、これが本当なら人類はとっくに絶滅している。低線量被曝のリスクについては、きのうの記事の第4図のように、年間6mSv以上の線量をずっと浴びている地域の発癌死亡率がむしろ他の地域より低い。これは低線量被曝が健康を改善するホルミシス効果と考えられる。 さらに高い線量については、アリソン教授のあげている時計職人のデータで見ると、3.7MBqあたりに閾値があると思われる(図の赤い範囲が骨肉腫を発症した線量)。これは年間被曝量に換算すると1300m
2012年08月13日12:49 カテゴリエネルギー 原子力についての4枚の図 8月15日に、またニコニコ生放送で原発の討論会に出ることになった。「わかりやすい図を出してくれ」とのことなので、パワーポイントを4枚描いたが、本番で使えるかどうかわからないので、せっかくだから紹介しておく。 原発の健康リスクは石炭火力や石油火力より小さい 上の図のように、TWhあたりの死者では、原発が群を抜いて低い。これはチェルノブイリの死者を含むWHOの統計だが、発電にともなう死者の半分は石炭火力によるもので、採掘事故だけで年間1万人を超える。日本で原発を全廃すると、大気汚染を含めて年間3000人ぐらい死者が増えるだろう。 原発の社会的コストは高くない これはEU委員会の調査した外部コストとOECDの調査した直接コストを合算した数字(一部修正)だが、環境汚染や健康被害などを勘案すると、原子力のコストは天然ガス
2011年04月24日11:18 カテゴリエネルギー 再生可能エネルギーは原発の代わりにはならない 孫正義氏によれば「太陽光発電コストが原子力発電コストを下回った」そうだ。他方で、彼は「これから20年間、再生可能エネルギーを全量買い取りで補助すべきだ」という。なぜ原発より安いエネルギーに補助金が必要なのだろうか。 そもそも彼の引用しているNC WARNなる反原発団体のパンフレットの数字には、何の客観性もない。たとえばアメリカのエネルギー省の予測では、2016年でも太陽光(Solar PV)のコストは原発(Advanced Nuclear)のほぼ2倍だ。 しかもこれはワットアワーの比較である。原子力はコンスタントに電力を供給できるが、太陽光発電の稼働率は12%。今回の計画停電のような夜間のピークには役に立たない。数字を見ればわかるように、もっとも有望なのは非在来型の天然ガス(Advanced
2011年05月05日18:13 カテゴリエネルギー 原子力の魅力はイノベーションがなかったこと ビル・ゲイツのWiredビジネス会議での発言が話題になっている。「福島事故があっても原発は火力より安全だ」という話が注目されているが、本題はエネルギー産業のイノベーションだ。彼は「原子力にはほとんどイノベーションがなかった。それがこの産業の魅力だ」という。 電力産業はこの数十年、地域独占と規制に守られて、古い技術がいまだに残っている。福島の悲劇は、40年前の「第2世代」の原子炉を延命していたことで、現在の主流である第3世代の原子炉では、受動的安全装置によって福島のような事故は(設計上は)起こりえない。第4世代が、彼の投資しているテラパワーなどの軽水炉と異なる設計思想である。まだ開発段階だが、主な技術として次のようなものがある:超高温ガス炉 超臨界圧軽水冷却炉 溶融塩炉 ガス冷却高速炉このような
昨年レタスの価格が高騰した際に、大阪のレストランでシーザーサラダを注文したところ、「レタスが高いのでキャベツでいいですか」とウエイトレスに尋ねられた。 「高いから」という直接的な表現を使うのは、大阪だからだろう。レタスの値段が上がれば、まず在庫が放出される。あるいは多少味は違うが、キャベツで代替できる。 電気という商品は市場化に適しているのか だが、電気はレタスとは本質が違う商品だ。「在庫を持てない」電気は需要に応じ必要な量を発電する必要がある。供給量は多くても少なくても停電を引き起こすというやっかいな商品だ。このために、常に需要量に合わせ発電量を調整する必要がある。 レタスであればキャベツが代替品になるが、電気がないと照明はつかない。冷蔵庫もテレビも使えない。ガスでは代替できない。電気をレタスのように市場で取引すると、供給が不足した時に大きな価格上昇が起こる問題がある。市場化のメリットは
2012年04月19日13:28 カテゴリエネルギー 原発停止にフリーランチはない 経済学の基本原則に「フリーランチはない」というのがある。「何かを犠牲にしないで何かを得ることはできない」という意味だ。こんなことは経済学で教えるまでもない常識だと思っていたが、京都府や滋賀県の知事がそれを理解していないのは困ったものだ。彼らは記者会見で「今夏の電力需給状況を政府が第三者委員会を設けて明らかにせよ」と要求しているが、電力が足りればいいのか。原発停止のコストはゼロだと思っているのか。 ニューズウィークにも書いたように、昨年の燃料費の増加は4.4兆円。きのう発表された昨年度の貿易赤字も4.4兆円で、ちょうど燃料費の増加分が貿易赤字になった。このうち原発の停止による増加は3兆円程度とみられているが、それでも毎日100億円ぐらいお札を燃やしているようなものだ。そして電力供給が不安定になってエネルギー価
きょうは8月15日である。この日に、いつも日本人が自問するのは「日本はなぜあんな勝てない戦争に突っ込んだのだろうか」という問いだろう。これにはいろいろな答があるが、一つは東條英機を初めとする陸軍が日本の戦力を過大評価したことである。陸海軍の総力戦研究所が「補給能力は2年程度しかもたない」と報告したのに対して、東條陸相は「日露戦争は勝てると思わなかったが勝った。机上の空論では戦争はわからん」とこれを一蹴した。 こういう客観情勢を無視して「大和魂」さえあれば何とかなると考える主観主義は、日本の伝統らしい。朝日新聞の大野博人氏(オピニオン編集長)は8月7日の記事でこう書いている: 脱原発を考えるとき、私たちは同時に二つの問いに向き合っている。 (1)原発をやめるべきかどうか。 (2)原発をやめることができるかどうか。 多くの場合、議論はまず(2)に答えることから始まる。原発をやめる場合、再生可能
2012年02月04日12:44 カテゴリ本 トリックスターとしての山本太郎 原発事故のあと反原発運動が盛り上がるのはどこの国でも同じだが、日本の特徴は「子供を守る母親の心」とか「金より命を大事にする」といった心情的なスローガンが多いことだ。その典型が、今や反原発運動のアイコンとなった山本太郎である。 彼の著書は「脱原発で仕事を干された」といった自分の話ばかりで、低線量被曝のリスクなどの事実には関心がない。原発は無限に危険で放射能はゼロにすべきなのだから、そのリスクなんてどうでもいいのだ。これは「放射線のリスクはわからないが原発が危険だということだけはわかる」と主張する安富歩氏と同じだが、山本のほうが余計な理屈がないだけわかりやすい。 山本は、丸山眞男のいう「古層」的な思考様式が現代の日本に生きている貴重な標本である。丸山は日本の古代的な規範の特徴として「集団的功利主義」と「心情の純粋性」
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