よく知られているように容量を充放電するのに必要なエネルギーはC*V^2であり、消費電力は、これに1秒あたりの充放電回数α*fを掛けたものになる。ここでfはクロック周波数であり、αは回路の動作率である。回路の動作率はクロック分配系のようにサイクル毎に充電と放電を行う回路では1.0であるが、一般の論理回路ではサイクル毎に1、0、1、0を繰り返す場合でも1サイクルに充電、または放電が1回であり、αは0.5となる。 前回述べたように、トランジスタのゲート容量は微細化にはあまり影響されずチャネル幅1μmあたり1fF程度である。また、配線は1mmあたり100fF程度であると考える。これらの値は、当たらずとも遠からずの値であるが、当然、使用する半導体プロセスにより異なるので、実際にはそれに合わせて見積もりを行う必要がある。 CMOS LSIの消費電力要素であるゲートと配線(下位2層だけを表示)を示す。