「私の後を正確についてきてください。右にも左にもずれないように」。ウクライナ国家緊急サービス地雷除去部隊のロマン・シュティロさん(43)と2人の隊員が先導する。半壊した2階建て住宅を右手に用水路を渡り、短い下草の生えた原野を、足跡をなぞるように進む。ウクライナ南部ヘルソン州プラブディネ村。ロシア軍は2022年3月からこの地を占拠し、ウクライナ軍と激しい戦闘を繰り広げた。ウクライナ軍の反撃で劣勢となったロシア軍は22年11月9日に退却を開始。その際、大量の対戦車、対人地雷を仕掛けた。住民の安全確保のため、シュティロさんらのチームの地雷除去作業が続く。 先を行くシュティロさんが指さした先に、円盤状の地雷が地上に並ぶのが見えた。ロシア軍の対戦車地雷TM62だ。信管がまだついているため、近づかないように注意された。他にも四方に糸を張り巡らせ、人が触れた時の振動で爆発する対人地雷など、多様なタイプが