消費者の中には、必要以上に化学合成品を毛嫌いする方もおられます。そのような方は、天然の食材や抽出物は全て安全であると過信する一方、化学合 成されたものについては過剰に危険視して徹底的に排除しようとする傾向があります。その様子はまるで宗教のようであり、「天然物信仰」と揶揄されています。 しかし、天然か合成かというだけで食品の安全性を判断するのは、余りにも短絡的です。食品の安全性を判断する上で最も重要なポイントとなるのは十分な食経験があるかないかということに尽きるのではないでしょうか。 天然物にもたくさんの毒性物質があります。よく知られているところで言えば、フグ毒、トリカブト、ジャガイモの芽、青梅などがそうですが、数え上げればき りがありません。しかし、これらの毒性物質も長い食経験の中から、どのくらい食べれば、あるいはどの部分を食べれば毒なのかが明らかにされ、上手く食生活に取り入れられて来まし