修復を要する被害や劣化が「見られる」と答えたのは57%。被害の前兆が「見つかっている」は74%。全国の名城を対象にしたNHKのアンケートで明らかになったのは各地の城の石垣で起きているさまざまな被害と、管理している自治体などの苦悩だ。多くの人が訪れる日本の城の石垣に何が起きているのか。私たちは対策を模索する現場を追った。 (科学文化部記者 岩田宗太郎・津放送局記者 三野啓介) アンケートの対象としたのは「日本城郭協会」が選んだ日本100名城と続日本100名城。このうち石垣のない城などを除く169の城を管理している自治体などにことし3月、アンケート用紙を送付。73%にあたる124の団体から回答を得た。 集計を進めるなかで見えてきたのは被害を受けている石垣が予想以上に多いことだった。 「現在、修復を要する被害や劣化は見られますか」という問いに対して、「見られる」と答えたのは57%にあたる71。程