印刷 十五郎穴横穴墓群から出土した刀子。さやは朽ちていたが、刀身と正倉院宝物に酷似した帯執金具が完全な形で残っていた=茨城県ひたちなか市教育委員会提供 茨城県ひたちなか市にある集団墓「十五郎穴横穴墓群(じゅうごろう・あなよこあなぼぐん)」で、正倉院の宝物に酷似した金具のついた刀子(とうす)(小刀)が出土したと、市教育委員会が8日発表した。同様の金具は2009年に奈良市の西大寺食堂(じきどう)院跡などでも見つかっているが、「刀身のついた完全な形としては全国初ではないか」という。 刀子は、一緒に見つかった須恵器の年代などから8世紀中ごろのものと見られる。鉄製の刀身(25センチ)のほぼ中央には、腰に下げるための銅製の帯執(おびとり)金具などが良好な状態で残り、表面には金が施されていた。当時、刀子は地位の高い役人などが装飾品として身につけていたという。 奈良国立博物館の吉沢悟研究員は「195