「なぜ山に登るのですか」「そこに山があるからだ」 これは、趣味に対する愚問と名答の例である。 「なんで鉄道が好きなんですか」「鉄道趣味っていろいろ分野があるんでしょ」 鉄道趣味者はときどき「イッパンジン」の興味の対象になる。「イッパンジン」はネットで散見される言葉だ。鉄道に限らず、趣味を持つ人が、同じ趣味を持たない人々を指す。鉄道趣味者は、これらの問いかけに対する返答にしばしば困惑する。「好きなんだから好きなんだよ」と言うしかない。 答えはある。鉄道の魅力を語れば尽きない。でも全部説明するなんて面倒だ。「好きだから好き」で勘弁してほしい。実は「答えがない」という場合もある。私は「赤ん坊の頃、ボクが泣いてぐずると、母に踏切に連れて行かれたんですよ。電車を見て泣き止んだそうです。電車が親だと思ったのかも」と説明する。ヒナ鳥か。 関連記事 杉山淳一の+R Style:第35鉄 真夏日の鉄分補給は