■金融政策 私の視点 ――日本銀行は先日の金融政策決定会合で景気判断を上方修正しました。大規模な金融緩和の現状を柳川さんはどう見ていますか。 「今のところ多くの経済学者の予想を上回る状況で経済の状態は推移している。景気は緩やかに回復し、雇用も改善した。大きな原因は円安だ。日銀の金融緩和が相場に与えた影響は大きい。また、大規模な金融緩和が始まってからの2年間で好転した米経済にかなり助けられた。米国への輸出が好調に推移し、円安との相乗効果が出た。仮に米経済が落ち込んでいれば、政策効果はだいぶ違っていただろう」 ――日経平均株価も2万円を超えて推移しています。 「企業収益自体も上がっている。ただ、日銀が株価指数に連動する投資信託(ETF)を買ったり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株式の保有割合を増やしたりした。それで市場は株高が続くのではないかと期待し、実際に株価が上がっている面が