成馬零一 × 西森路代が語る、ドラマ評論の現在地【後半】:価値観が変化する時代、“物語”が直面する課題とは 野木亜紀子、海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ シナリオブック』(講談社) 成馬:『逃げ恥』のスペシャル(2021年)に対して批判的な意見が多く見られたのは、野木亜紀子作品の受け止められ方が変わりつつある気がしますね。逆に言うと、批判されるくらい作家としての存在感が大きくなったとも言えます。 西森:やっぱり、2021年に、優しくてこうであったらいいなという世界を書くと、余計にその中にある矛盾が目立ってしまうんじゃないかなって。2016年には見えなかったものが見えるようになってしまったんだなと。それこそ社会的なドラマに対しての解像度が上がる人は上がってしまった。それは、野木さんが、いろんな作品を通して見せてきたからこそでもあったわけなんですよね。他のドラマになにか違和感がある台詞があっ
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