「発達障害に頭部の磁気刺激治療が効く」と宣伝している精神科クリニックが物議を醸している。「TMS」と呼ばれるこの治療法は比較的新しく、うつ病患者には保険適用されているが、発達障害への効果は日本精神神経学会も認めていない。しかし、発達障害の専門外来をうたい東京や大阪などに展開するこのクリニックは、独自の見解を基に「9割に効果がある」などと宣伝。保険適用外のTMSに誘導している。患者側が治療費のために高額のローンを組むケースもあり、精神科医らは「患者の不安を利用している」「発達障害ビジネスのひとつ」などと批判している。(共同通信=小林知史、武田惇志、真下周) ▽学会は注意喚起 このクリニックは2010年代に登場。運営する医療法人は、美容外科大手と関連するコンサルタント会社に業務委託している。 治療のメインにしているのが「TMS(経頭蓋磁気刺激治療)」で、専用のコイルを頭部に当て、発生するパルス