海部 美知 エノテック・コンサルティングCEO ホンダ、NTT、米ベンチャー企業を経て、1998年にエノテック・コンサルティングを設立。米国と日本の通信・IT(情報技術)・新技術に関する調査・戦略提案・提携斡旋などを手がける。シリコンバレー在住。 この著者の記事を見る
消えた“ブーム” 大衆消費社会では時折、“ブーム”と呼ばれる圧倒的多数の消費者を巻き込む流行現象が起こる。かつて1990年代には携帯電話が爆発的に売れ、女子高生ブームに浮かれ、「Windows95」や「たまごっち」のために人々は行列をつくった。さらにバブル華やかなりし1980年代までさかのぼれば、DCブランド(デザイナーズブランド、キャラクターズブランド)やイタメシ(イタリア料理)から株式投資に至るまで、あらゆる分野で絶え間なくブームが巻き起こっていた。 ところが最近は、次のブームがなかなかやってこない。最近のトレンドとして、エコカーやファストファッションもブームと呼べないことはないが、小粒感は否めない。例えて言うならば1980年代の消費の鍋は、何かあればすぐ沸騰するほど熱かった。これに対して近年の消費の鍋は冷え切ってしまい、めったなことでは湯気さえも立たない。 かつての消費ブームの先頭に
菅直人首相の人となりについて、私は詳しい情報を持っていない。新たに大臣に就任した面々の政見や主張についても同様。著しく不案内、というよりもはっきりと無知だ。興味すら持っていない。 なので、新首相ならびに新内閣について、現段階であれこれ言うことは控えておく。先方に失礼だし、読者の皆さんにもご負担だろうから。 今回は、「うちの国では、どうして毎年のように宰相の首がすげ変わっているのであろうか」という疑問について考えてみることにする。 この度の一連の出来事(鳩山さん&小沢さんの退任と菅さんの首相就任および菅内閣の発足)を通じて、私が一番意外に思ったのは、菅新内閣の支持率の高さだった。 各社の世論調査を見渡してみると、菅直人新内閣の支持率は、どこの社のものでもおおむね60%前後だ。鳩山内閣末期の支持率と比べると3倍以上になる。これを受けて民主党の支持率も倍増している。 どう解釈すべきなのだろうか。
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 一般職に応募する男子学生、就職専門の家庭教師に指導を受ける有名私立大学生…。買い手優位の厳しい雇用環境を背景に、学生の就職戦線に異変が起きている。「ゆとり教育」世代が就職期に入り、全体の質が落ちた影響と採用側は言う。 「一般職に、男ですよ」 困惑を隠し切れないといった表情で、ある生命保険会社のベテラン採用担当者が話す。企業の採用活動が本格化する4月。その最前線では、一昔前なら考えられない事態が起きている。 この保険会社では、長らく一般職と総合職の2つの職種で学生を採用してきた。一般職は、社内の事務処理などの仕事が中心であり、キャリアを積み重ねていく総合職とは異なる。応募条件に男女の制限はないが、通常は女性が就く職種と考えられてきた。 とりあえ
“新卒一括採用信仰”なるものが、高校生にまで影響を及ぼしているらしい。 先日、高校3年生のA子さんから進路に関する相談を受けた。彼女は大学3年生の時に海外の大学と半年間の交換留学プログラムのある某大学を第1志望にしようとしたところ、担任の先生から、「3年生のときに留学していては、就職活動に支障がでる。もっと就職に力を入れている他の4年制大学に進んだほうがいい。就活が遅くなればなるほど、大変な思いをする」と言われたそうだ。 数年前から、「就職まで責任をもって面倒をみて、いい就職先を斡旋する」ことを“売り”にする大学も増えてきた。その背景には、少子化の影響がある。それに加えて、バブル崩壊後の就職氷河期に始まり一昨年のリーマンショックと、世の中の経済状況の影響をもろに受ける新卒一括採用に対して学生や親御さんたちが抱く不安感を逆手にとった、大学側の生き残りをかけた営業方針も見え隠れする。 厚生労働
「出世したがらない」 「常に受け身である」 「二言目には、なぜ僕は評価してもらえないんですか? と言う」 いずれも、私が幾度となく聞いた、若手社員の扱いに苦労する上司たちの悩みである。 私たちの世代も「新人類」などと呼ばれていたので、「今どきの若者は…」などとは極力言いたくないのだが、ボヤかずにはいられないほど理解不能な言動を今の若手社員はする。 つい先日も新人研修の講演会で、 「私は、この会社にどうしても入りたかったとか、今の仕事を特にやりたかったわけじゃないんです。だから、この先どうしたらいいのか、不安に思っています」と、新人サポート役の先輩たちがいる前であからさまに語る今年度入社の女性社員や、 「僕の上司は最低のヤツで、裁判でもおこしてやろうかと思うくらいストレスが溜まっています」と、その上司が誰なのか特定できるようなことを、平気で大勢の先輩や同僚の前で暴露する20代後半の男性社員に
11月上旬、中国政府はオバマ大統領の訪中を前に、上海ディズニーランド(DL)の建設を認可した。 現時点で、米娯楽大手ウォルト・ディズニーは上海市政府とまだ正式に調印していないが、中国側の報道によると、2014年に上海の浦東国際空港に近い川沙鎮で開業することになっている。 拡張計画も3期にわたって予定され、最終的に米国本土を除いて世界最大規模のディズニーランドになると伝えた。 しかし、ふたを開けてみると、国家発展改革委員会から認可された開発面積は報道ベースの3割に過ぎず、東京ディズニーランドよりはるかに小さい。それどころか、世界で最も狭い香港ディズニーランドよりも小さかった。 このニュースが流れた当日、上海株式市場は暴落し、ディズニーランド開発ブームに賭けた投機家たちの落胆ぶりは隠せなかった。これだけビッグなプロジェクトであるにもかかわらず、正確な開発面積すら伝わってこない。開業までの4年間
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