今回はマルチテナント・アーキテクチャの内部構造や、マルチテナント・アーキテクチャによりデータベースの運用管理がどのように変わるか、その概要を見ていく。 前回解説したように、マルチテナント・アーキテクチャを使って構成したデータベース環境では、Oracleデータベース全体で共有する部分と、Pluggable Databaseそれぞれが個別に持つ部分で構成する。具体的には、メモリ領域とプロセスはデータベース全体で共有するが、表、ビュー、索引、プロシージャといったデータベースオブジェクトや、表領域やユーザーとその権限に関する情報などは、それぞれのPluggable Databaseが個別に所有する構造となっている(図1)。 それに伴い、Oracle Database 12cではcommon userとlocal userという2種類のユーザータイプを用意した。common userはデータベース全