菅直人首相が率いる新たな内閣が発足した。様々な注目点があるが、そのひとつは金融政策である。昨年、国民的人気を誇る経済評論家の勝間和代氏が当時、副総理・国家戦略担当相であった菅直人氏に「財政規律を大幅に緩めることと超金融緩和を同時に進めればデフレ、格差、雇用、経済成長、年金などの日本経済の所々の問題がいっぺんに解決する」と提案し、話題になった。その後、政府は日銀にさらなる金融緩和を要求するなど、勝間氏の政策提言はそれなりの影響力を持ったようである。 今でも、一部の経済学者は、日銀が大量にお金を刷れば日本経済はよくなると唱えている。いわゆるリフレーション理論である。そして、彼らの矛先は常に日銀批判に向く。日本経済がデフレに苦しみ、過去20年間、世界の経済成長に取り残された主因は日銀が過度に金融を引き締めたためだというのだ。よって、日銀がもっと大量にお金を刷れば、デフレが解決し、日本経済は再び成