自認する性に合わせ、「通称名」で大学院生活を送ってきた久保明日香さん(26)が24日、神戸大学(神戸市灘区)の大学院を修了した。在学中は、自身を含む性的少数者の学生が過ごしやすいよう努め、大学が通称名使用を全学部で認めるきっかけをつくった。自ら選んだ紫色の振り袖で「明日香」と記された学位記を受け取り、仲間と新たな一歩を祝った。(久保田麻依子) ■「自分は病気扱いなのか」 久保さんは奈良県出身。幼い頃から「男性」であることに違和感があった。東京の大学に通っていた19歳の時、トランスジェンダーであることを初めて友人に打ち明けた。「拒絶されるのではないか」。手が震えたが、信頼の置ける仲間たちはすぐに受け入れてくれた。そこから戸籍上の名前と、故郷の名に由来する「明日香」を使い始めた。 2021年、神戸大大学院国際文化学研究科に進んだ。夏ごろ、学生証や証明書に通称名が使用できないか大学事務局に相談し