UDは人のためならず2009年11月21日 筆者:岡田和也ケベック州内で見かけた信号機=岡田和也撮影 先日、カナダのケベック州で、色だけでなく形も変わる信号機を見かけた。青は円形、黄色は菱形、赤は四角に光るというものだ。中には赤信号が黄色と青を挟む形で2つ点灯するものもある。初めて目にしたときは色の判別が苦手な人に優しい革新的なデザインだと思ったが、見慣れてくると、どの色も同じ形の信号機が手抜きにすら感じられるようになった。色の判別に不自由がなくても、形や個数の変化もあった方がわかりやすく、運転が楽なのだ。特定のハンディキャップ対策を「付け足す」と、その機能を必要としない人には邪魔になったりかえって使いにくくなったりすることがあるが、最初から誰にとっても使いやすいような設計にしておけば使う人全員が幸せになれるという、ユニバーサルデザイン(UD)の好例だ。 しかし、赤と緑という、見分けが付き