ドイツ系スイス人、ベルン近く、ミュンヘンブフゼーで音楽教師の家に生まれた。クレーもヴァイオリンの名手で、ピアノ教師と結婚。 キュビズムからの影響に加え、民族美術、幼児の絵にも大きな関心があった。 クレーの作品は、視覚的に魅力的だか、その意味を解するのは説明がいる。風刺画によく見られる題名と絵との相互依存関係があるのだ。題名だけでもピンとこないし、絵だけでもピンとこない。両方が必要なのである。 そういった風刺画的な、題名と絵との関係も捨てることなく、逆にそれを芸術へ高めていった。 クレーは絵と言葉の遊びの性格を利用した。美術は記号の言語であり、観念の表象である形態の言語ある。記号は、私たちが見た瞬間に自動的に意味を発する。記号を引き金にして、見る者の意識に作用させる。 実は大変に統制がとれていて、理論に体系的な流れがあるのが、クレーの絵画である。 1900年からミュンヘンの美術学校へ半年通う