ネズミ講として世間を騒がせたホリディマジック 「《美》の訪問者ホリディマジックがお手伝い」 巨大な新聞広告が、読売新聞に登場したのは、1975年8月22日のことだ。「私たちの化粧品はドア・ツー・ドア方式によって直接みなさまのお宅におとどけします。ホリディガールがあなたにお会いして、お肌についてのお話をうかがってから、あなただけのスキンケアについてお教えします」と書かれていた。 一見すると、単なる化粧品の訪問販売業者だったと思うかもしれない。しかし、このホリディマジックこそ、ネズミ講として世間を騒がせ、そして大事件にまで発展し、そして自己啓発セミナーとも関係がある企業だった。 これまでの連載「デキない人を狙う自己啓発セミナーの正体」(4月5日配信)「『自分で自分を変える』はそもそも可能なのか」(4月12日配信)で自己啓発セミナーの系譜を追ってきた。もともとは、米国心理学者クルト・レヴィンが偶