12月16日、安倍晋三首相とプーチン大統領との歴史的な会談が行われた。明けて17日の新聞各紙は、この会談について、「経済協力優先、北方領土の溝埋まらず」「領土進展なし」「進まぬ返還、経済優先」など、否定的な報道が多かった。 本当に会談は失敗だったのか。安倍首相が、一方的にやられただけなのか。僕は、北方領土の問題で、一定の前進があったと思っている。 17日、「激論!クロスファイア」に出演した鈴木宗男さんは、今回の会談を、「大きな第一歩だ」と明言した。鈴木さんは長年、日露関係に深く関わってきた。北方領土の問題に誰よりも詳しい人物だ。 2001年まで、日本政府は「北方領土返還」、つまり四島すべての返還を目指してきた。しかしこの年の3月、当時の森喜朗首相とプーチン大統領が会談した。そこで発表されたのが、イルクーツク声明だ。実は、このとき日本は「二島返還論」へと方針を大きく転換したのだ。これに対して
今年も、新入社員誕生の季節がやってきた。新入社員諸君には、希望もあるだろうし、不安もあることだろう。僕にも、そんな時代があった。 小説家を目指していた当時の僕は、大学の夜間部で学びながら、昼間は日本交通公社で働いた。現在のJTBだ。一生懸命やっているつもりなのだが、僕は度を超えて不器用だった。切符切りがまともにできないのだ。それでも、なんとか昼間の仕事をこなし、小説を書いては文学賞に応募していた。結果は、さんざんなものだった。 ちょうどその頃、同世代の石原慎太郎さんが、華々しく文壇デビューした。彼の『太陽の季節』を読んだ後は、しばらく呆然としてしまった。その石原さんのほかにもう一人、かなわないと感じた人物がいる。大江健三郎さんだ。二人の作品に圧倒された。僕は、小説家への夢を断念した。 大学を卒業した僕は、NHKや朝日新聞といったマスコミの入社試験を受けたが、ことごとく落ちた。11社目、よう
日本時間11月24日朝、トルコがロシアの爆撃機を撃墜した。イスラム国(IS)をめぐる世界情勢は、これでいっそう混沌としてきた。前回、「空爆でテロは防げない」と僕は書いた。では、どうすればいいのか。この混沌とした世界で、日本はどう立ち向かうべきか。 先日、僕が司会を務める番組「激論!クロスファイア」で「テロ」問題について激論した。出演していただいたのは、森本敏さんと高橋和夫さんだ。森本さんは元防衛大臣であり、安全保障のスペシャリスト。高橋さんは日本一と言ってもいい中東問題のスペシャリストだ。 興味深い話ばかりだった。そのなかでも、とくに驚いた話がいくつかある。たとえば今、中東では、アルカイダとイスラム国が一種の「ブランド競争」をしているということだ。 もともとイスラム国はアルカイダの一部だった。そのなかでも「過激すぎる」と追放された人間たちが作った組織がイスラム国なのだ。 イスラム国には、す
9月19日、安保法制法案が参議院で可決された。この法案に反対する人びとが国会前に押し寄せ、2万人ともいわれる大規模なデモとなった。 その前日の18日の夜、僕も国会前に行ってみた。法案可決の直前、集まった若者たちが、どれくらい熱狂しているのかをこの目で見たいと思ったからだ。ところが、国会前に集まっていた若者たちは、いい意味で「クール」だった。空腹を覚えれば自由に食事に行く。遅い時間になると、集まっていた高校生たちに「早く帰れ」と帰宅を促している。ニュースで報じられていたような絶叫ばかりではなく、落ち着いた空気が、そこにあった。 25日深夜の「朝まで生テレビ!」は、「激論! 安保国会・若者デモ・民主主義」をテーマに放送した。今回、若者デモの中心となっているSEALDs(シールズ)の創始メンバー、奥田愛基さんと諏訪原健さんの二人にも討論に参加してもらった。「SEALDs」とは、「自由で民主的な日
安倍政権の内閣支持率が落ちている。朝日新聞社が10、11日に実施した調査では、内閣支持は38%、不支持は41%だった。いうまでもなく安保法制案の影響だろう。 国民への説明不足という批判に応え、安倍晋三首相はテレビに出演した。そこで安倍首相は、日本の隣家アメリカが火事になったとき、日本は消火しに行けない、だが、日本に燃え移りそうになったときには、アメリカに消しに行くことができると、集団的自衛権の行使を火災の消火活動にたとえて説明したのだ。だが、どうもそれは逆効果だったように僕には思える。あれでは国民を「バカにしている」と思われても仕方ないのではないか。そう心配になってしまうほどだ。 日本の安保体制が今のままでよい、とは僕は思っていない。1960年、「安保改定反対」のデモの中に僕はいた。当時、首相だった岸信介さんは元「戦犯」で、日本を再び戦争に駆り立てようとする「極悪人」だと思っていたのだ。
5月の「朝まで生テレビ!」は、米軍の普天間基地の辺野古移設をめぐって政府と沖縄県が真っ向から対立する問題を取り上げ、現地・沖縄のスタジオから緊急生討論をした。沖縄在住のジャーナリスト、政治家、経営者にも出演していただいた。 たとえば、建設予定の辺野古基地は普天間基地の「移転」などという小規模なレベルではない。実質、「新基地」建設というべきものであること。また、いわゆる「抑止力」も非常にあいまいな言葉であること。限られた時間のなかで、そのような点にまで話がおよんだ。突っ込んだ議論ができたと思っている。 いま多くの日本人は、沖縄のことをもっとよく考えなければならない、と僕は感じている。ご存じのように、普天間基地移設問題はこじれにこじれている。沖縄県知事の翁長雄志さんは、国と真っ向から対抗しているからだ。 沖縄の人たちは、米軍基地が沖縄に集中していることについて非常に怒っている。辺野古移設にも怒
先日、僕の番組「激論!クロスファイア」で、冨山和彦さんと話をした。冨山さんは、産業再生機構で数多くの企業の再生支援をした。いまは、経営共創基盤のCEOとして活躍する、腕利きの経営コンサルタントだ。 冨山さんの話で印象に残ったことは、「『大企業と中小企業』という分け方は、日本の実態にもはや合わない」ということである。そして、これからは、「『グローバル企業とローカル企業』を分けて考えるべきだ」と述べていた。 「グローバル企業」とはその名の通り、世界を市場としている企業だ。トヨタ、パナソニック、ソニーなど、誰もが知っている会社である。一方、「ローカル企業」とは、国内、なかでもほとんどが一定の地域で活動している企業のことだ。デパートやコンビニなどの小売業、観光業や金融もほとんどがここに入る。 つまり、日本の企業のほとんどがローカル企業なのだ。その割合はグローバル3割、ローカル7割だと冨山さんはいう
「アイス・バケツ・チャレンジ」を体験した。バケツに入れた氷水を、頭からザブンとかぶったのだ。 http://t.co/DtVWdnkS1Q カッパを着ているとはいえ、文字どおりの「年寄の冷や水」である。氷水をかけてくれたフローレンス代表の駒崎弘樹さんは、「田原さんが倒れられたらどうしよう」と、大変緊張したそうだ。 「アイス・バケツ・チャレンジ」とは、難病である「ALS」の支援運動だ。正式には、筋萎縮性側索硬化症という。筋肉萎縮と筋力低下が急速に進み、発症するとほとんどが数年以内に死亡する難病だ。有効な治療法は確立されていない。 「アイス・バケツ・チャレンジ」では、指名された人物は、24時間以内に頭から氷水をかぶる。もしくは、100ドルを支援団体に寄付する。どちらかを選ばなければならない。もちろん、その両方を選択してもいい。そして、次の人物を3人指名する……。このように続いていくのだ。 アメ
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