東京電力は20日、福島第1原発事故の社内調査委員会の最終報告書を発表した。事故直後の菅直人前首相の現場視察や、吉田昌郎前所長への問い合わせなど官邸の介入を「無用の混乱を助長させた」と批判。事故悪化につながったと指摘された、社員の原子炉の冷却装置の操作不手際についても非を認めなかった。 報告書はA4判352ページ。事故原因を「想定した高さを上回る津波の発生」と分析し、「最新知見を踏まえた対策を実施してきたが、結果的に甘さがあった」と集約した。 また、事故があった11年3月11日以降、官邸から吉田氏への問い合わせが相次いだことについて、「現場実態からかけ離れた要求で、所長を(現場と官邸対応で)板挟みにするばかり。事故収束の結果を改善するものではなかった」と指摘。「事故対応における大きな課題で、当社を含め関係者は大いに反省すべきだ」とした。