基本調味料の「酢」「醤油」「味噌」はもちろん、「漬け物」「納豆」「鰹節」「清酒」さらには「旨味調味料」も……。微生物を巧みに使いこなし、豊かな発酵文化を築いた日本。室町時代にはすでに麹(こうじ)を造る「種麹屋」が存在し、職人技として発酵の技術は受け継がれてきた。 じつは、科学の視点から現代の技術で解析を進めるにつれて、そのさまざまな製造工程がいかに理にかなったものであるか、次々に明らかになっている。発酵食品を生み出した人々の英知に改めて畏敬の念を覚えつつ、このような発酵食品について科学的な側面から可能な限り簡明に解説していこう。 今回は、タンパク質、とくに消化の良くない豆類のタンパク質の効率的な摂取を助ける、という発酵のもうひとつの意義を見ていこう。 副食物で、タンパク質を摂る必要がある 人間に必要な三大栄養素は炭水化物、脂質、タンパク質である。穀類と芋類はデンプンに富むので主食により炭水
![多くの人が忘れている…じつは「マメの消化」は、めちゃくちゃ時間がかかる。消化しにくい「大豆のタンパク質」をごっそり頂く「人類の凄すぎる知恵」(中島 春紫)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bfe96a49ed151be8594e9db82e56d1a8b035cd15/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F9%2F9%2F1200m%2Fimg_998f8449a2065704f271fdbf5199f178208622.jpg)