「遅刻癖がやめられない」「夜に寂しくなってしまう」「後悔してばかり」…。このような「ついやってしまうこと」「できないこと」で悩んでいる人も多いでしょう。じつは生物学的にはそうした行動や感情は、人間の遺伝子に予め組み込まれており「やめられなくても当然」であることが判明しています。このような、人間が「努力してもしょうがないこと」の秘密と対処法を、明治大学教授で進化心理学の第一人者である石川幹人氏が解き明かします。 ※本記事は石川幹人著「生物学的に、しょうがない!」(サンマーク出版)より抜粋でお送りします。 幸福な状態ほど「幸福」には感じない まず、幸福感の由来を生物学的に考えてみます。動物は、うまく生き残って子孫が繁栄するのが生物学的にいいことになっています。だから食べ物が十分にあり、かつ安全な状態が幸福になるように思えます。 ところが現実はちょっと違います。生物学的に感情は、動物の行動を起こ