→紀伊國屋書店で購入 「地図に暮らす人が等身大になるまで縮尺を上げる」 膨大な地図資料をもとにたくさんの著書を持つ今尾恵介さんが、「地図で戦争の時代を読む」「戦争の時代の地図を読む」という2つのテーマでまとめた本である。侵略あるいは占領によって変化した国土を政府はどう記してきたか。戦時体制下では一般の目に触れることのなかった地図も古書市場に出るようになり、そうした貴重な資料も含めた新旧の地図を見比べることで浮かび上がる時代を追う。 散歩しながら昔ここは何だったのだろうとスマートフォンのアプリで古い地図と見比べることはたびたびあるが、東京ドームやこどもの国、代々木公園が軍用地であったことなどに単純な驚きを覚えるばかり。そもそもなぜその場所が軍用地とされ戦後どのようにして転換されたのか、そのことによって消えた町や道路があるならなぜなのか……。今尾さんのように新旧の地図を丹念に見比べることができ