その日僕は、澄み渡る快晴の青空の下、車を走らせていた。 教習所の卒業検定を受けていたからだ。 既に過去3回落ちているので、今回で4回目の挑戦。 悪天候でも無く、平日の住宅街の午前中なので、歩行者も少なく車も少ない。 それに加えてたぶん試験コースの中で一番簡単なコースな上に、過去3回のダメだったところしっかりと念頭に入れて、慎重に慎重を重ねた走りを心がける。 …これはいける…! その時だった。 突如僕の眼の前に、左に寄ったり右に寄ったりするおかしな原付が現れる。 原付が左に寄っていれば、原付を追い越しても大丈夫かもしれないが、こんなフラフラしている状態を抜かすのは危ない。 と言うか、それが無くても、単純に原付を抜かそうとしただけでも、補助ブレーキを踏まれてしまうかも知れない(検定中止) これは罠だ! 絶対に原付は抜かさない! 僕は心の中でそう決めて、原付の後を徹底的に追従した。 するとしばら