長崎県松浦市の鷹島沖の海底で発見された730年前の元寇船。構造が分かる状態で初めて見つかり、琉球大の研究チームは「構造や大きさ、建造技術などの検証の可能性が開ける」と意義を強調する。1281年の弘安の役で鷹島沖に約4400隻が集結、大半が暴風雨で沈んだとされる「神風伝説」も解明されるか--。かき立てられる歴史ロマンに、地元・鷹島では「観光の目玉に」と期待が膨らむ。【阿部義正】 研究チーム代表の池田栄史教授(考古学)らによると、昨年の調査で砂泥に埋まる「船らしきもの」を発見。そして今年、発掘範囲を昨年の6倍の約10メートル×15メートルに拡大。砂泥を約1メートル掘ったところ、船の背骨となるキール(竜骨)、その両側には外板が整然と並んだ状態で見つかった。幅約50センチの木材を用いたキールは12メートルまで確認。更に外に伸びる可能性もある。 NPO法人アジア水中考古学研究所(福岡市)の林田憲三理