韓国の珍島沖で起きた客船「セウォル号」沈没事故で多数の死者を出した「責任」を問う裁判が6月10日、韓国・光州地裁で始まった。検察側は、乗客らへの救助措置を怠ったとして、船長のイ・ジュンソク被告(68)ら乗組員15人を殺人罪などで起訴。しかし初公判の罪状認否で、イ被告の弁護人は殺人罪について否認し、他の被告の弁護人もほとんどの罪を否認した。「なぜ起きたのか」「防げなかったのか」。真相究明を求める遺族の思いをよそに、責任回避したり、事故を“利用”しようとする輩は少なくない。「犠牲者らに恨みがあったわけではない」 初公判で、イ被告の弁護人は、「犠牲者らに恨みがあったわけではない」とした上で、「乗客が死んでもいいと考えて救護措置を取らず、自分だけ助かろうとして脱出したとの検察の主張は理解し難い」と主張。さらに、イ被告が操舵(そうだ)室から最後に救助されたなどとして、「(殺人の)未必の故意があったと