中島岳志の「自民党を読む」(3)安倍晋三 保守への思想的関心よりも、アンチ・リベラルの思いが先行している政治家 中島岳志 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授 著書の少ない総理大臣 史上最長の首相在位期間が射程に入ってきた安倍晋三総理大臣。肯定的な評価と否定的な評価に真っ二つに分かれる人物ですが、どのようなヴィジョンや政策、特徴をもった政治家なのか、私たちははっきりとつかみ切れていないのではないでしょうか。 連載の第3回は、いよいよ現役総理に迫ります。いつものように著書をじっくり読むことで検証してみたいと思います。 安倍さんが著者として出している書籍は、共著を含めると基本的に以下の7冊です。 ① 『「保守革命」宣言-アンチ・リベラルの選択』(栗本慎一郎、衛藤晟一との共著) 現代書林、1996年10月 ② 『この国を守る決意』(岡崎久彦との共著) 扶桑社、2004年1月 ③ 『安倍晋三対
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