石川県で最大震度7を観測した能登半島地震で、珠洲市北部沿岸の高屋町では80人ほどが暮らすが、周辺の道路が全て土砂崩れで車両通行不可となっている。電気と水道も通らず、2日夜までは一部の携帯電話がつながったが、以降は電波も届いていない。集落外に出るには、海岸沿いを東方向に1時間以上歩くのが最短経路だ。 高屋町の友人の元に遊びに来ていた高校の同級生の赤坂千晴さん(23)、脇田彩加さん(24)、田中志歩さん(24)は、揺れに襲われて以降、車中で過ごす日々。4日昼、千晴さんの父敏昭さん(62)らが「まさか生き埋めになっているのでは」とスコップ片手に歩いて高屋町にたどり着き、元気な3人を見つけて連れて帰った。千晴さんは「ずっと連絡を取りたい、取りたいと思っていたが、突然来てびっくりした」と笑顔で再会を喜んだ。