その列車は、地上にある千代田線の綾瀬駅(東京都足立区)を発車したのち、荒川を渡り地下へ潜って、霞ヶ関駅に停車。しかし着いたのは、通常の代々木上原方面行きではなく、逆の綾瀬方面行きホームです。 そこで運転士が交代したのち、霞ヶ関駅を普段の左側通行ではなく、右側通行の状態で発車。ほどなく千代田線から右へ分岐し、線路が1本だけの単線トンネルを抜けると、そこは有楽町線の桜田門駅でした。 この単線トンネルは「8・9号連絡側線」と呼ばれ、中央官庁が集まる「日本の中心」の地下をくぐって、その名の通り有楽町線(8号線)と千代田線(9号線)を連絡。長さ約720mの「路線図にない線路」です。 かつて、小田急線と有楽町線の新木場駅を結ぶ特急「ベイリゾート」などが、この8・9号連絡側線を通り臨時運行されたこともありました。しかし現在、8・9号連絡側線は基本的に、有楽町・副都心・南北線の車両が、千代田線の沿線にある