北朝鮮の連発する「無慈悲」「鉄槌」「火の海」といった言葉がTwitterで妙なブームになっているそうだ。「無慈悲な休日出勤による徹底的な残業が行われるだろう」とか、言い換えを競うセンスはなかなかのものだ。他方、出版の世界にも近年、かなり殺伐とした言葉が飛び交うようになった。楽天・三木谷社長が「打倒アマゾン」を叫べば、一部出版関係者が「自炊代行業者撲滅」を唱えるなど、どうやら暗く鬱屈した気分を晴らすカゲキ表現が好まれる時代になってきたのかも知れない。 問題は「無慈悲」のほうではない。これはかの国が20年近く使い続けている枕詞で、韓国人はまったく気にしていないそうだ。同様に「打倒」も「スポーツ感覚」、「撲滅」はご本人の「パニック障害」と思えないこともない。目くじらを立てるようで気が引けるのだが、それでも指摘しておきたいのは、過剰な表現がもたらす災厄については少なからず経験しているから、とお考え