今回は検索の手がかりとなる言葉である「標目」の中でも「著者標目」と「著者名典拠」の関係について考えてみよう。 森鴎外の著作を探すような場合、「森鴎外」を著者として検索すれば、資料の一覧が表示される。インターネットによる全文検索が一般的な昨今、本に表示してあるとおりの著者名から引ければ、わざわざ著者標目から探す必要はないのでは?と思うかもしれない。では、同じ名の人が大勢いたらどうだろう?同じ人が幾つものペンネームを使っていたら?外国人のカナ書きの方法は一通りか?イニシャルはいつもイニシャルだろうか?本に表示されている著者の形で検索できるだけでいいといえるだろうか? 仮に3人の「国会太郎」がそれぞれ本を著していたとする。国会太郎で検索し、3人の著作があわせて30冊表示された場合、自分が探したい著者の作品がどれなのか、30冊について確認しなくてはならない。あるいは30冊すべてが探していた本だと勘