駅の雑踏、ゲームセンター、生徒が騒々しい講義など、我々は日常の生活で、多くの様々な 音が混じり合って聴こえてくるのをよく耳にしている。だが、その中で自分の名前を呼ぶ者が 居るとすると、その声は他の音よりも明瞭に聴こえてくる。聴こうとしている声が、周囲の声 や雑音より幾分小さくても、注意の力の働きによって聴くことが可能になるのである。ここで は、その聴覚的選択・「カクテル・パーティー効果」について述べよう。 「カクテル・パーティー効果」:カクテル・パーティーは、注意を向けさえすればその声が聴き 取れるが、注意をそらすと、他の人の声と混じり合って聞き取れなくなってしまうという状況 であり、注意のメカニズムを問題にできる典型的な例として注目された。 聴き分け 我々は多くの会話の中から一つの会話だけに注意を向けることができるが、このような注意 は他の会話と異なる内容の会話に対して向けられやすい。カ