自治体の“正規”職員の求人に550倍の応募が殺到。兵庫県宝塚市の話です。人手不足の時代にこんなに働きたい人がいるなんて…。実はこの求人、就職氷河期世代と呼ばれる人たちが対象、この世代の“正社員化”を進めようという動きが相次いでいるんです。 そもそも就職氷河期世代とは?そして、そのように呼ばれる人たちが、当時、どのような困難に直面し、苦しんできたのか。当事者に話を聞くことから取材を始めることにしました。 そう話すのは小林誠さん(41)。新潟県南魚沼市ののどかな町で母親と2人で暮らしています。思いをしっかりと伝えたいと実名で取材に応じてくれました。 小林さんが地方の国立大学を卒業したのは今から18年前の平成13年。就職氷河期はバブル崩壊後の就職難だった平成5年から16年頃を指すので、まさにまっただ中の時期でした。当時、大卒の求人倍率は※1.09倍。来年3月卒の1.83倍と比べると、いかに低かっ