乳業メーカー担当者は「来年あたりは完全に生乳が足りなくなる」と危機感をあらわにしている。 ここ3年は生乳の需給緩和により「搾るが出荷できないから捨てる」といった状況が続いている。業界一丸となって消費喚起策を講じている一方で、飼養コストの高騰などで厳しい経営状況のなか、昨年から今年にかけて酪農家が子牛をあまり買っていないという。子牛から乳が搾れるようになるまで2~3年かかるが、その際に乳を搾れる牛がいなくなるため、来年以降は現状から一変、生乳不足に陥ることが懸念される。 4年ほど前までは、本州の酪農家では供給が間に合わず北海道から生乳を送るほど、夏場の需給は8月をピークにひっ迫した。しかし、ここ4年間は本州もあまり暑くなく、牛が乳を出すようになり、政府主導で増産に取り組んできた効果も表れてきたのに反し、コロナ禍や学校給食の休止などもあって生乳は余るようになった。 給食は再開したものの、現在牛