漂流目前だったTPPがギリギリのところで“大筋合意”にこぎつけてしまったことで、政治情勢は輪をかけて不穏な方向に向かっているような気がするし、実務の世界でも余計な仕事が増えて嘆いている人は結構多いように思われるのだが、その一方で、日経紙を筆頭に、肯定的な論陣を張り続けているメディアや知識人も多い。 そして、TPPの大筋合意事項の中でも、特にいろいろと議論が噴出しそうな知財分野に関し、全面的に保護強化の方向性を支持する論稿*1が、2日朝刊の「経済教室」に掲載された。 「特許保護へ国内法整備を」というタイトルが付された相澤英孝・一橋大学教授のこの論稿は、TPPの合意内容を簡潔に紹介するとともに、合わせて特許権の行使をめぐる国際的状況をコンパクトに俯瞰する、という点で、一般読者向けのものとしては、非常に分かりやすいものだと思うのであるが、若干気になるところもある。 特に、わが国の状況に関し、 (
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