言っちゃなんだが俺はそこそこ優秀だった。 24年、よくやったと思う。 一番は一度もとれなかったし、体も良くないから常にどこか痛いし、劣等感と拒絶の恐怖で言いたいことも言えなかったし、恋人はおろか親友すらできなかったし、遊びにも誘われないし、中学の頃は面と向かってブサイクと言われたし、美術の大学へ行ったものの絵は全然上手くならないから自己嫌悪が増幅して、でそのまま社会人になったけど、でも優秀だったと思う。 真面目だったし、何度かちょっとしたことをやり遂げて「すごいね」「よかったよ」「ありがとう」と言われた。 もう充分だろ。 ていうかなんでみんな生きてるんだよ。 俺はオタクだから高校時代は「〇〇のアニメが見られるまで死ねない」「この漫画が完結するまでは生きよう」みたいなことをモチベーションに生きていた。 でもさ、もうそういうのもなくなっちまったわけ。どうでもいいわけよ。 春に夏の着物をもらって