東京電力は15日、東京都杉並区に保有するスポーツ施設「東京電力総合グランド」を同区に売却する方向で協議していることを明らかにした。福島第1原子力発所事故の被害者への賠償資金を捻出するためのリストラの一環。資産の売却先が明らかになったのは初めて。 面積約4・4万平方メートルと東京ドームとほぼ同じ広さで、野球場2面と陸上トラック、テニスコート、プールなどがある社員向けの福利厚生施設。同社が今月7日に競争入札で売却する計画を同区に伝えたところ、「良好な住環境を保つことと防災上の観点から区にとって重要」と、取得したい意向が示され協議に入ることにした。 東電は、本業以外の事業から撤退し、遊休不動産や保有する有価証券を売却することで合計6千億円以上の資金を確保することを目指している。