盗撮行為をしている人物を見つけ、金品を脅し取る手口が首都圏の駅などで相次いでいる。「盗撮ハンター」と呼ばれるグループで、男が警察官さながらに盗撮犯を現場で確保し、女が被害者になりすまして示談金を要求するなど、巧妙に役割分担して犯行に及んでいる。脅された人は恐喝と気づいても、後ろめたさから事件を相談できず、被害が表面化しにくい傾向もあり、警察は警戒を強めている。(松崎翼) ■警察官さながら 「今、盗撮したよね」。5月12日昼。新型コロナウイルスの影響で閑散とした池袋駅(東京都豊島区)構内の階段で男が声をあげ、男性の右腕をがっしりとつかんだ。男性はこの時、女性のスカートの内側をデジタルカメラで盗撮。男性を取り押さえたマスク姿の男は、野原大輔被告(30)=恐喝未遂罪で起訴=だった。 「係員が来るので、そこで待ってて」。野原被告は突然の出来事に戸惑う被害者の女性にも優しく声をかけた。堂々とした振る