あえて田1枚コメ作り 放射能の影響「自ら試す」 川内 応援に来た友人らと田植えをする秋元さん(左)。背後にはことしの作付けを諦めた田んぼが広がる=福島県川内村 6条の田植機が今月、福島県川内村の水田に緑の筋を刻んだ。福島第1原発事故により、国と県がコメの作付けを控えるよう求めた「緊急時避難準備区域」の村で、あえて田植えを行ったのは専業農家の秋元美誉(よしたか)さん(67)。「実際に作らなければ、どれだけ(放射能の)影響が出るか分からない。机上の論理で来年も駄目と決められかねない」と話す。収穫したコメは公的機関で分析してもらう考えだ。 今月15日、村中央部の小さな盆地。周囲には干からびた田んぼが広がる。水面を渡る風に苗が揺れているのは、秋元さんの1枚だけ。出荷はしないから、この25アールしか作らない。 50年間、コメ作りを続けてきた。1.2ヘクタールで有機無農薬米、1.8ヘクタールで低農