■雑誌『英語教育』(大修館)2月号が「インプットからアウトプットへ」という特集を組んでいる。語学教育の問題に首を突っ込むつもりはないが、この特集の中でシャドーイングが大きな比重を占めているようなのでひとこと言っておきたくなった。まずすべての議論において、玉井(2005)が慎重に指摘した上位グループへの頭打ち効果が無視されている。この時点で一体議論の対象が誰なのかがあいまいになってしまっている。またこの特集の中の理論編とも言うべき「ボトムアップ・シャドーイングvs.トップダウン・シャドーイング」と題したコラムで、門田は「初めて接する未知の内容を素材」にしたシャドーイングにより「音声知覚を自動化」するというボトムアップ・シャドーイングの効果を称揚している。「シャドーイングによる音声知覚の自動化」が何を意味するのかはよく分からない(構音速度を高速化するのなら分かる)が、そもそもこの問題はスピーチ