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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (7)

  • 「誤報」の裏側

    先週、世界を振り回した「江沢民死去」騒ぎは、6日夜に香港の亜洲電視(ATV)がテレビニュースでそれを流したのをピークに、その後あっという間にしぼんでしまった。この原稿を書いている今にいたるも、江沢民氏が生きているのか死んでいるのか、まったく分からない。 ただ、同氏がなんらかの理由で病院に入っていることは間違いない。だいたい09年の中華人民共和国建国60周年記念日に見せた老いさらばえた姿は人々に「その日」が遠くないことを人々に印象付け、またそれは来年に迫った指導者の世代交代を予想するときに日メディア関係者が必ず触れる「上海派勢力の抵抗」要素を、中国人ネットオピニオンリーダーたちが排除する根拠になっている。特に今回は7月1日の中国共産党結党90年記念式典という晴れ舞台にも姿を現さなかったことが内外の憶測を呼ぶことは、中国政府も予測済みだったはずだ。 実は6日夜のATVニュースの「死去」発表を

    「誤報」の裏側
  • 歌舞伎町案内人が東京を去らない理由

    今週のコラムニスト:李小牧 [4月20日号掲載] 中国版ツイッター「新浪微博」をご存じだろうか。登録者数が1億人を超し、AV女優の蒼井そらやサッカーの中田英寿も利用するサービスだ。先日、私もアカウントを開設したところ、たちまち1万3000人のフォロワーが集まった。 突然始めたのは、蒼井そらチャンのファンだからではない。今度中国で出版する拙著の宣伝に使ってほしいと出版社から頼まれたのが最初だが、今は大震災に襲われながら、必死に頑張っている日当の姿を中国に伝えたいという思いで漢字140字の「つぶやき」を続けている。 既に報じられているように、70万人といわれた在日中国人のうちかなりの人々が余震と放射能を恐れて日を脱出した。20万人という説もあるほどだ。中国行き航空券の値段は片道20万円近くにまで跳ね上がり、それでも買えない人たち3000人がチケット待ちで成田空港に泊まり込んだ。航空券が

    歌舞伎町案内人が東京を去らない理由
  • 東京の人と街を彩る完璧な服装という「鎧」

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 東京ではよく完璧な女性に出会う。電車の中や道で擦れ違いざまに、うっとりするほど完璧な女性を見掛ける。といっても、この人と生涯を共にしたいと思うわけじゃない。一分の隙もないほど完璧な服装の女性という意味だ。東京にはそんな女性があふれている。 驚くほど完璧なファッションの女性を一日に何度も見掛ける。細部まで計画し配置し磨き上げたかのようだ。ハンドバッグももイヤリングも服もばっちり決まっている。携帯電話の色までぴったりだ! 東京のは世界一ぴかぴか。東京では何でも「完璧であること」が重要だ。 完璧に決めた女性を見るたび、どのくらい時間がかかるんだろうと思う。冬は帽子やスカーフやコートも加わるから、さらに大変だ。なのに360度どこから見ても完璧。後ろはどうやってチェックするのか。きっと自宅に複雑な仕組みの鏡があるに違いない。たとえ地震で鏡が割れても何のその

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  • 久々の東京で味わった恐怖の書類ショック

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 研究休暇で実に12年ぶりに日を離れ、10カ月間を海外で過ごした。数週間前に帰国したとき、カルチャーショックを受けることは予想していた(逆カルチャーショックなのか逆・逆カルチャーショックなのかはともかく)。それでも、最大のショックについては心構えができていなかった。「書類記入」ショックだ。 詳細な項目に日語で必要事項を書き入れることを「書類ショック」と呼ぶことにしたいが、今回それは空港の入国審査で始まった。私は文句も言わずに指紋を取らせたのに、係官は私が前もって律儀に記入しておいた用紙を破棄した。 係官が指し示したのは、10カ月前の出国時に知らぬ間にパスポートにホチキス留めされていた用紙。私はそこに書き直した。次回出国用の用紙がパスポートに挟み込まれるのを見ながら、東京ライフには書類が欠かせないことを思い出した。恐怖とともに。 次の書類ショックはス

    久々の東京で味わった恐怖の書類ショック
    baatmui
    baatmui 2011/02/28
    気持ちわかる…
  • 中国の知られざるデタラメ!出版事情

    今週のコラムニスト:李小牧 ある日の深夜。新宿・歌舞伎町のわが湖南菜館でパソコンに向かっていた私は、興奮しながらキーボードをたたいていた。もちろんエッチなサイトを見ていたわけではない。私の評論集『歌舞伎町より愛をこめて』(阪急コミュニケーションズ)が今度中国で出版されることになり、その原稿をチェックしていたのだが、それが間違いだらけなのだ。 日で出版される私のは日語で書かれているから、中国で出るときは中国語に翻訳される。ところがその翻訳がデタラメなのだ。そして中国人編集者も超いいかげん。これまで3回も原稿のやりとりをしているが、彼が勝手に直すせいで、そのたびに新たな修正が出る。 例えば「女性にもてたいなら外見より脳ミソをセクシーに」と書いたはずなのに、なぜか中国語版では「日人男性はとにかくもてたい」と意味がすっかり変わっていた。おかげで昨年末の出版予定が大幅にずれ込み、いつ発売でき

    中国の知られざるデタラメ!出版事情
    baatmui
    baatmui 2011/02/07
    「中国でいま一番有名な若手作家の担当者」とぼかしたのにすぐその作家の実名を(!)
  • 野放図になるプライバシー侵害にユーザーは無力

    インターネット上のプライバシー保護をめぐる動きが活発化している。オバマ政権は10月末、インターネット・プライバシーに関する連邦委員会を設置したが、12月に入ってFTC(連邦通信委員会)と商務省が相次いでインターネット・プライバシーを保護するための提案を明らかにした。 インターネット・プライバシーの侵害は、野放図なまでにひどくなってきている。われわれユーザーがどこかのサイトを利用すると、何十ものデータが収集される。何をクリックしたとか、どの製品を買ったかなどがすぐわかる。最近では、入力ボックスにどんな文字を入れたのかまで、すっかりお見通しだ。人気のあるサイトでは、そのデータの種類はざっと100にも上るという。 あるサイト上のユーザーの行動データは、そのユーザーのプロファイルに加えられていく。しかも、ユーザー行動を見ているのはサイト運営者だけではない。第三者、つまりユーザー行動のトラッキングを

    野放図になるプライバシー侵害にユーザーは無力
  • 最強の中国人学校が東京にできる!

    今週のコラムニスト:李小牧 李小牧の最近の悩みを聞いてほしい。歌舞伎町案内人として22年間この街で生き抜き、あらゆるトラブルを「自力更生」で解決してきた私の頭を悩ませているのは、わが湖南菜館の経営でもしつこいヤクザでも新しい「女朋友(彼女)」をめぐる夫婦ゲンカでもなく、子供。もちろん子供といっても新しい彼女との間の「宝宝(赤ちゃん)」じゃなく(笑)、現在の中国人のとの間に生まれた今年3歳の息子の教育問題だ。 東京の保育園に日人の子供たちと通うわが息子は、あと3年したら小学校に上がる。「日に住んでいるんだから、そのまま日の小学校に入れるのが当然」と思うかも知れない。実際、在日中国人の大半はそうしているし、東京の小学校ではクラスに中国人の同級生がいる風景が今や当たり前だ。 だが在日中国人の親たちはみんな深刻な悩みと不安を抱えている。「日語に自信がなく友達の親や先生とうまくコミュニケー

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