■今年もまた…人知れず、学校の柔道でまた生徒が死亡した。事故が起きたのは4月25日、そして今月の10日に死亡、河北新報が第一報(「柔道の試合後に部員死亡」)を13日に報じた。学校の柔道では1983年度以降、121件目の死亡事故である。 世界柔道選手権大会で袖釣込腰をかけた際に頚部を損傷した事例(全柔連『柔道の安全指導〔第4版〕』)私が知る限り、この事案を報じたのは河北新報(続報1本を含む)のみである。この重大事案は、いまにも忘れ去られようとしている。 重大事故の防止においてもっとも大切なのは、重大事故から学ぶことである。各事案がまるでなかったかのように忘れ去られていけば、私たちは何も学ぶことができず、また同じ事故が繰り返されていく。 ■頚部を損傷頸髄損傷のメカニズム(全柔連『柔道の安全指導〔第4版〕』)この事故は、柔道における典型的な頚部外傷の事案である。 事故は、仙台市内の私立高校で起き