リーマン・ショック時に業績が低迷したエーワン精密。製造業としては異例の利益率3割を再び超えてきた。同じ製品・サービスでもいち早く提供すると価値を生むと考え、スピード出荷を達成することに集中している。注文を受けた瞬間から、加工を終えるまでの時間短縮に潜む独自の工夫を探った。 山梨県韮崎市の緑豊かな地にあるエーワン精密・山梨工場。人影まばらなオフィスに電話の呼び鈴が鳴り始めると、その瞬間に女性社員が受話器を取った。顧客の機械メーカーから急遽、主力品であるコレットチャックに注文が入ったようだ。受注担当の女性は細かくメモを取り、作業指示書を書き始める。「滑り止めの溝を入れるのか」「つかむ部分の形状はどうするか」。細かな要求もその場で確認して作業指示書に反映すると、エアシューターで工場内の作業現場に送った。注文を受けてから、ここまで5分。あっという間に加工が始まった。 半製品活用で1時間仕上げも エ
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