靴の聖地として名高いノーザンプトン。しかしながら、なぜこの地がそのように讃えられ、靴好きたちからの憧れの地となるに至ったのか……、それをご存知の方は意外と少ないかもしれません。ノーザンプトンはブーツとドレスシューズの発展の歴史とともに歩んできた街。革なめし産業からスタートし、やがて靴の街へと進む過程と、そこで育まれた伝統的な英国靴についてあらためて探っていきましょう。 ノーザンプトンとは? ノーザンプトンはイングランドの中東部に位置し、ロンドンから約100km北上したところにあるノーザンプトン州の州都。かつてはイングランドの首都であり、現在、人口は約20万人で面積は約80㎢、東にはケンブリッジ、南西にオックスフォードの2大都市がほぼ等距離にあり、イングランド北部の都市をつなぐ幹線道路のちょうど中間に位置するため、物流の一大拠点となっています。郊外にはネイネイ川を中心として無数の川が流れ、牧